子どもからの素朴な問いに、どう答えますか?
「なんで勉強するの?」——子どもにそう聞かれて、ドキッとしたことはありませんか?
私もそのひとりです。5歳の息子に聞かれて、なんと答えたらいいのか一瞬言葉につまりました。
この問いには、正解はありません。でも、子どもに寄り添いながら、自分の言葉で伝えられたら素敵だなと思いませんか?
この記事では、私の実体験を交えながら、子どもに「勉強する理由」を伝えるヒントを、やさしい言葉でお届けします。
また、他の家庭や有名人の言葉も交えながら、子どもたちが前向きに学びに向かえるような考え方をご紹介していきます。
わが子の質問:「なんで勉強するの?」の裏にある気持ち
ある日、5歳の息子に「なんで勉強するの?」と聞かれました。
息子は慎重で、失敗をとても気にする性格。どうやら彼のなかには、「勉強って難しそう。できなかったらどうしよう…」という不安があったようです。
この質問の裏には、ただの好奇心ではなく、「できないかもしれない自分への不安」が隠れていたのだと感じました。
子どもって、大人のように建前ではなく、本音をそのまま口にすることがありますよね。だからこそ、このときの息子の言葉は、私にとってとても大きな気づきになりました。
私が伝えた「学ぶことは楽しい」というメッセージ
わたしが伝えた言葉
「勉強って、できることがどんどん増えるってことなんやよ。英語を覚えたら外国の人と話せるし、字が読めたら好きな本がひとりで読めるようになるよ」
勉強は“できないことをできるようにする”ための楽しい冒険。そう伝えたかったのです。
私自身、子どものころに「できるようになった!」と感じた瞬間の喜びを思い出しながら話しました。たとえば、自転車に乗れるようになったとき、ピアノで一曲弾けるようになったとき…あの嬉しさと似ているよ、と伝えると、息子の顔がふっと和らいだのを覚えています。
なぜ今、「なんで勉強するの?」が増えているのか?
最近は、SNSなどでも「勉強って意味あるの?」「学校教育は時代遅れ」なんて声をよく見かけます。
将来、AIが仕事をするようになるかもしれない時代。親世代とは違った現実のなかで、「勉強の意味」も変わってきているのかもしれません。
また、インターネットや動画などから簡単に知識が得られるようになった今、「わざわざ覚えなくても調べればいい」という風潮も強くなっています。
こうした背景のなかで、子どもが「なんで勉強するの?」と感じるのは、ごく自然なことなんです。
親としての視点
子どもに伝えるときの“言葉選び”のコツ
子どもに説明するときは、できるだけその子が「自分ごと」として感じられる言葉を選ぶのがポイントです。
伝え方の工夫
- 「未来の自分へのプレゼントになるよ」と伝えると、ワクワクしながら聞いてくれます。
- 「できないことがあっても大丈夫」と伝えることも忘れずに。安心感があると、子どもはのびのびと学べるようになります。
- 遊びや好きなことと結びつけるのも効果的。「ポケモンを覚えるのが得意なら、勉強も覚えるってことなんだよ」など。
言葉は、伝え方ひとつで心に残るもの。だからこそ、子どもの気持ちに寄り添った“やさしい言葉”を選んでいきたいですね。
他の人たちの「勉強する理由」
糸井重里さんの言葉
やさしさがこもったメッセージ
「友だちが困ってるときに助けてあげられるように、勉強するんだよ」
この言葉は、やさしさや思いやりのある子にぴったりの答え方ですね。
「誰かのためになる力をつけるために学ぶ」。そんな思いがこもった言葉は、子どもにもきっと響くはずです。
夫の叔父のエピソード
叔父さんのひとこと
子どもだった夫が「英語なんて使わへん」と言ったとき、叔父さんはこう返しました。
「そうかもね。でも考え方の勉強にはなるかも」
違う文化や言葉にふれることで、広い視野を持てるようになる。そんな考え方も素敵です。
「何のためになるのか」より、「それを通して何を学べるか」という視点が大切だと感じました。
夫が息子に伝えた言葉
自由な学びの姿勢
「勉強は、やりたいことを見つけるためにするもの」
おもしろい!と思えることを探すために学ぶ。子どもが自由に興味を広げていく力になります。
「一番楽しかったことを教えて」と聞くことで、自然と学びが前向きなものに変わっていくんですね。
世の中の多様な「勉強の意味」
いろんな人の言葉たち
- 落合陽一さん:「勉強は、自分をアップデートする手段」
- 小学校の先生:「選べる人生にするための準備」
- キャリアカウンセラー:「好きなことを仕事にするには、知識とスキルが必要だから」
誰かの言葉が、そのまま自分や子どもの心に響くとは限りません。
でも、いろんな考え方を知っておくと、選択肢が増えます。
親として大事なのは、「どんな答えも間違いじゃない」と受け止めること。
子どもと一緒に考えながら、「わたし達だけの答え」を見つけていく姿勢だと思います。
こんな答え方はNG?逆効果になりがちな言葉たち
NGワードの例
- 「みんなやってるから」
- 「将来困るから」
- 「やらないと怒られるよ」
こうした“プレッシャー型”の言葉は、子どもを萎縮させてしまうことがあります。
「勉強=いやなこと」という印象を与えてしまうと、やる気がなくなることも…
また、「勉強=いい点を取ること」と思い込ませてしまうと、本来の楽しさを見失ってしまうことにもつながります。
だからこそ、前向きな言葉選びが大切なんです。
子どもに伝えるときに意識したい3つの視点
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1子どもの性格や感じ方を観察すること
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2親自身が「勉強って何のため?」を考えておくこと
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3“正解を教える”より、“一緒に考える姿勢”を見せること
この3つを意識するだけで、きっと子どもの表情が変わりますよ。
子どもは、大人が本気で向き合ってくれているかを敏感に感じ取っています。
だからこそ、教えるより「一緒に考えてくれる人」としてそばにいることが、何よりのサポートになるのです。
まとめ:あなたなら、どう答えますか?
「なんで勉強するの?」
この問いに対して、あなたはどんな答えを用意していますか?
勉強の意味は、きっと人それぞれ。
学びの道を一緒に歩む
大切なのは、子どもと一緒に悩みながら、楽しく学びの道を歩いていくこと。
子どもの問いかけは、親にとっても自分自身を見つめ直すチャンスです。
ぜひ、あなた自身の言葉で「勉強ってね…」と伝えてあげてくださいね。
そして、その言葉が、いつかお子さんの心の支えになる日がくるかもしれません。