お気に入りのシャツや白衣に、うっかりボールペンのインクがついてしまった——そんな経験、一度はあるのではないでしょうか。
特に油性ボールペンのインクは落ちにくく、普通に洗濯しただけではシミが残りがちです。
実際、洗濯後にうっすらとインクの跡が残り、「目立たないけれど気になる…」と感じる方も多いはず。
そんなときに注目されているのが、「激落ちくん」などの市販の洗浄アイテムです。掃除道具のイメージが強い「激落ちくん」ですが、意外にも衣類のシミ抜きにも使えると話題になっています。
とはいえ、「激落ちくんで本当に落ちるの?」「使い方にコツはある?」と疑問を持つ方もいるでしょう。
この記事では、「激落ちくん」を使った実践的なインク除去テクニックを中心に、インクの種類や素材別の対処法、応急処置や予防策まで詳しく解説します。
ボールペンのインク汚れに悩まされないための“保存版ガイド”として、ぜひ参考にしてください。
インクの種類と汚れの特徴

ボールペンのインクには主に3種類あり、それぞれ性質や落としやすさが異なります。
まずはインクの種類を見極めることが、効果的な処理の第一歩です。インクの性質に合った処理方法を選ぶことで、衣類を傷めず、きれいに落とすことが可能になります。
油性インク
- 水に溶けにくく、繊維に深く入り込む性質。
- 乾燥すると定着しやすく、落としにくい。
- エタノールや専用溶剤での処理が有効。市販のインク除去スプレーも活用できます。
水性インク
- 水でにじみやすく、比較的落としやすい。
- 布に染み込むとにじみが広がりやすい。
- 素早い対応がカギ。時間が経つほど落ちにくくなるため、早めの対処が重要です。
ゲルインク
- 油性と水性の中間の性質。
- 発色が良く、色素が濃いため色残りしやすい。
- 複数の洗剤を組み合わせる工夫が必要な場合も。手間はかかりますが、丁寧に段階を追って処理すれば落とすことができます。
「激落ちくん」でのシミ抜き方法
「激落ちくん」はメラミン樹脂製のスポンジで、軽度の汚れに高い効果を発揮します。掃除用の印象が強いですが、衣類のシミ抜きにも活用できます。摩擦による微細な研磨効果で、インク汚れを繊維から浮かせる仕組みです。
使用手順
- 汚れた部分を乾いた状態で確認し、範囲を把握します。
- 「激落ちくん」に水を含ませ、固く絞って余分な水分を除去。
- インク部分をこすらず、軽く叩くように処理。
- 汚れがスポンジに移ったら、新しい面に変えて繰り返す。
- 最後にぬるま湯で軽くすすぎ、中性洗剤で仕上げ洗い。
効果的に使うコツ
- インクが付いてすぐに処置するのがベスト。
- 色落ちが心配な素材は、事前に目立たない部分でテストを。
- 一度で落ちない場合は、日を分けて2〜3回繰り返すとよい。
※「激落ちくん」で落ちにくい場合は、エタノールや除光液との併用も効果的です。これにより、より深く染み込んだインクも分解しやすくなります。
インクの種類別シミ抜きテクニック

それぞれのインクタイプに適した処理法を押さえましょう。処理の方法を誤ると汚れが広がる可能性があるため、順序を守ることが重要です。
油性インク
- エタノールや無水アルコールで裏側からしみ込ませて処理。
- 汚れが浮いたら、ペーパータオルで吸い取る。
- クレンジングオイルや除光液でも代用可(素材への影響に注意)。
- 仕上げに中性洗剤で軽く洗うことで、においやべたつきを防げます。
水性インク
- 中性洗剤でトントンと叩き洗い。
- ぬるま湯で濡らしたスポンジで中心に向かって叩くと効果的。
- インクがにじみやすいため、乾いたタオルで裏打ちしながら作業すると広がりを防げます。
ゲルインク
- まず「激落ちくん」でインクを吸い取る。
- 次にエタノールを含ませたコットンで叩く。
- 中性洗剤と併用して仕上げ洗いを。
- 汚れが濃い場合は工程を繰り返すことで徐々に色が薄くなります。
素材別の注意点と対処法
素材によって処理方法が異なるため、注意が必要です。誤った方法で処理すると、インクは落ちても衣類自体が傷んでしまう可能性があります。
綿(コットン)
- 吸水性が高く扱いやすい。
- エタノールやメラミンスポンジの使用が可能。
- 強くこすらず優しく叩いて処理。
- 比較的シミ抜きの成功率が高い素材です。
ポリエステル
- 熱に弱く、色移りしやすい。
- 中性洗剤で丁寧に叩き洗い。
- 熱湯やアイロン処理は避けましょう。
ウール・シルク
- 非常にデリケート。
- 自宅での処理は避け、専門のクリーニング店を推奨。
- 自分で行う場合は、中性洗剤をしっかり薄めて優しく処理。
- 一部の繊維では水でさえ縮みやすいため、慎重な対応が必要です。
応急処置と予防策
外出先での応急処置と、日常的な予防策も大切です。とっさの対応を知っておくことで、インクの広がりや定着を防ぐことができます。
応急処置
- ティッシュやハンカチでインクを吸い取る。
- ウェットティッシュで軽く叩き、表面のインクを除去。
- こすらないことが重要。
- 早めに帰宅して本格処理を行う。水やアルコールを持ち歩いていれば、その場での応急処置も可能です。
予防策
- ボールペンはキャップを閉めてからポケットへ。
- 防汚加工スプレーを衣類に使用。
- ペンケースでインクが直接衣類に触れないように工夫。
- 万が一に備えて、替えの衣類や小さなシミ抜きシートを携帯するのもおすすめです。
結論・まとめ
ボールペンのインク汚れは、正しい方法で早めに対処すれば家庭でも十分に落とせます。特に「激落ちくん」は、軽度な汚れに対して高い効果を発揮し、他のアイテムとの併用でさらに対応範囲が広がります。
インクの種類、素材の特性、そしてタイミング。この3つを意識することで、シミのリスクを大幅に減らすことができます。
さらに、応急処置や予防策を知っておけば、インク汚れへの不安はぐっと減少。お気に入りの衣類を長く美しく保つために、今回のガイドをぜひ活用してみてください。
シミ抜きの知識と備えが、日常生活をより安心で快適なものにしてくれるはずです。